何とは言わない天然水飲みたさ

gnusocial や mastodon の哲学

twitter の問題

[0] とは、 SNS のサーバを各々が持ったり複数用意することで不要な制約を受けないようにし、それでいてサーバ間で連携することで巨大なひとつの SNS として利用できるようにするという思想であり、またその思想が目指すネットワークサービスのことである。

この思想は、先に挙げた twitter の問題を以下のように解決する。

問題 解決
twitter が落ちると皆死ぬ サーバはコミュニティや個人で別々になっており、道連れで死んだり断絶が発生することはない
ツイートが twitter のサーバにしか残らない

notice (ツイート相当の情報)は、受信者のアカウントのあるサーバ全てで複製して保存される。 発信者のサーバが死んでも、受信者のサーバには情報が残るので、リンクが切れて参照が潰れることは避けられる。

自分の notice だけでなく、自分の TL に流れてきたすべての notice が、受信者のサーバに保存される。

悪意ある第三者により、アカウントの凍結やツイートの削除の強制などの制限や弾圧を受けることがある

サーバの運営者のポリシーによる。 たとえば政治的な主張を発信するなら、政治的な主張を弾圧しないようなインスタンス(サーバ)でアカウントを用意すればいい。 えっちな画像を投稿したければ、そういった画像に対して理解があり過剰に反応しない運営者のサーバにアカウントを用意すればいい。

他人を完全に信用しなくとも、自分でインスタンスを運営し、自分でそこにアカウントを作ることもできる。 これなら、検閲や BAN もない。 自分のアカウント専用のインスタンスにしてしまえば、他人が法的にヤバい書き込みをして云々という問題も避けやすくなるし、問題がある投稿を自分でサーバから消すこともできる。

仕様が twitter 社の一存で決まる 国際的な組織 (W3C 等)に管理されたオープンな(公開されていて閲覧に制限のない)仕様が定められている。 議論も行われる。
仕様のみならず、実装(ソースコード)も公開されない

オープンソースである。 実装の詳細も公開されるし、もし不満があれば改造して使ったりすることもできる。

プラグイン等の機能もある場合があり、 twitter 連携などいろいろな機能の追加もできる。

GNU Social とは、 Mastodon とは何か

A GNU Social-compatible microblogging server と説明されているが、つまりこれは OStatus を実装しているということである。 ただそれだけであるが、つまり公開された仕様によっているということなので、全く別で開発された互換サービスと連携できる。

連合を作る

  • freezepeach.xyz (言論の自由を大切にしてるのかな? 児ポの投稿禁止が唯一のルールやでと書いてある)
  • gs.smuglo.li (えっちな絵とかよく流れてるので注意。たぶん運営者がえっちなイラストに理解がある。とはいえ法律は守りましょう)
  • social.pzn.lgbt (LGBTPZN について議論してたりする人たちの集まっているインスタンス。ぶっちゃけ私もよく知らない。詳細は LGBTPZNポータル を参照)
  • quitter.se (twitter から逃げてきた人たちが集まったインスタンスらしい)
  • mstdn.jp
  • mstdn.io
  • mastodon.cloud

複数のインスタンスがあるが、問題ない。 フォローしたいアカウントのページを開き、「リモートフォロー」などのボタンを押せば、自分の居るのとは別のインスタンスのアカウントもフォローできる。 実際、私は自分のサーバに立てたインスタンスの gnusocial.cardina1.red にアカウントを持っているが、そこから他のインスタンス(上に挙げたようなもの)のアカウントもフォローしている。

このように、よく知らない誰かでなく、信頼できる人や組織(自分でもいい)の運用するインスタンスに居ることで、中央集権された自由のないサービスから解放されようというのが、 GNU Social や Mastodon が twitter と本質的に違うところである。

巷の記事、紹介

ASCII.jp:Twitterのライバル? 実は、新しい「マストドン」(Mastodon)とは!|遠藤諭のプログラミング+日記」はどうにも Mastodon の思想がよく理解されないまま書かれているように感じる。

たとえば、以下のような記述があった。

Twitterは、どこまでもだだっ広くて、なんの垣根もない草原のような感じだった。 それに対して、Mastodonは、土地に根差して活動しやすくなっている。 ちょうど、なんの制約もなく空を飛んでつぶやいているTweet(さえずる)と、集団をつくってはToot(吠える)の違いだろうか?

Mastodon は、それぞれが自身や同志のためのインスタンスを立てやすい [1] というのは事実だが、「土地に根差して活動しやすく〜」っというのは見方が偏っている。 似た人々が集まるのは、自分たちに理解のある運営者のインスタンスに集まることが自分たちの自由のために重要だからであって、フォロー関係がインスタンスを跨げる以上、同じ趣味の人々が同じインスタンスに集まることはあまり意味がない。

たとえば、 Twitter にあてはめたらトランプ陣営と非トランプ陣営で真っ二つのインスタンスの連邦ができそうである。

中央集権的なサービスの問題は、「トランプ陣営」だとか「非トランプ陣営」などといった政治的主張や思想などが(スパブロ攻撃等で)弾圧され、言論の自由が奪われかねないことにある。 Federated social web 流の考えかたであれば、政治的主張が弾圧されず積極的に議論ができるような、つまり「政治的な主張や議論を積極的に交わせるインスタンス」が立つだろう。 (無論、陣営ごとにインスタンスが立つこともあるかもしれないが、内々に篭って外と隔絶するようなやりかたは、 federation を真っ向から否定するものであるし、 GNU Social や Mastodon の目指すところの反対である。)

そもそもこの記事では decentralization (脱中央集権)の考え方に触れておらず、あまりに表面的な紹介である。 繰り返し言うが、 Mastodon は単なる twitter クローンやちょっと良くなった代替などではない。

ITmedia の記事は良い

ポストTwitter? 急速に流行中「マストドン」とは - ITmedia NEWS」は良い記事であるといえるだろう。

Twitterとの大きな違いは、サイトが1つではなく複数に分散していることだ。
Rochkoさんは「Mastodonは分散化したプラットフォームであり、コミュニケーションが単一の企業に独占されるリスクを避けられる」と説明。 Twitterの弱点をカバーする“ポストTwitter”を意識して制作したようだ。

その通りである。 Mastodon (や互換サービス)の目指すところは、脱中央集権と federation (連合)による分散プラットフォームである。

ねとらぼの記事も良い感じ

ポストTwitter有力候補? 500文字まで書き込めるオープンソースSNS「マストドン」が脚光浴びる - ねとらぼ」。

「分散型」をうたうマストドンでは、誰でもサーバ(インスタンス)を立ち上げることができ、どこか1つにトラブルがあっても、他のインスタンスが生きていればサービスを継続することが可能となっています。 また、運営会社の倒産により突然のサービス終了……といった事態も避けられます。
ちなみに最初にどのインスタンスで始めても、ちゃんと世界中のユーザーとつながることができるのでご安心を。

その他の実装など

GNU Social
GNU が開発している本家。 プラグインでの拡張(たとえば twitter 連携など)ができる。 リポジトリは git.gnu.io
Mastodon
最近話題になっている実装。 TweetDeck 風の UI が特徴? 新しい実装なので、内部も結構洗練されてるのではないかと思う。 リポジトリは